夕凪の街桜の国

こうの史代さんの『夕凪の街桜の国』(双葉社、2004年)を読んだ。友人たちがブログなどで紹介していて、とてもとても読みたくなった漫画。映画化されて評判もよかったということもある。 夕凪の街と桜の国(1)(2)に分かれていて、過去から現在に続くス…

あの戦争から遠く離れて:私につながる歴史をたどる旅

毎日新聞に書評が掲載されていたので、城戸久枝『あの戦争から遠く離れて』(情報センター出版局、2007年)を読んでみた。前半は「残留孤児」だった父の話。後半はその娘である久枝さんの話。前半は引き込まれるように読んだけれど、後半に入ってから、少し…

戦艦大和:生還者たちの証言から

栗原俊雄「戦艦大和:生還者たちの証言から」(岩波新書、2007年)を読んだ。この本は毎日新聞に連載されていたものを修正加筆したもののよう。私もその連載を読んでいたから、本として出版されると聞いて「買わなくっちゃ」と思っていた。証言者の証言、遺…

読むんじゃなかった。『ユダヤ人に学ぶ日本の品格』

やばーい本を読んだ。エリ=エリヤフ・コーヘン&藤井厳喜『ユダヤ人に学ぶ日本の品格』(PHP研究所、2007年)。もちろん買ったわけではない。友人から借りたもの。親日派として知られていた元駐日イスラエル大使エリ=エリヤフ・コーヘンがどんなことを書い…

アフガニスタンから世界を見る

イギリスに行っていたので、日記の更新は久しぶり。時間があったはずなので、もっと本を読めるかとも思ったけれど、結局読み終わったのは、春日孝之『アフガニスタンから世界を見る』(晶文社、2006年)だけだった。南回りの旅行は、映画、新聞、睡眠で終わっ…

バスラの図書館員−イラクで本当にあった話−

最近の私はイラク関係の本にはまっている。時間がないので、なかなか進まないけれどね。 ジャネット・ウィンター「バスラの図書館員−イラクで本当にあった話−」(晶文社、2006年)と佐藤真紀「戦火の爪あとに生きる−劣化ウラン弾とイラクの子どもたち−」(童…

子どもたちのイラク

ずいぶん前に買っておいたのに、読むのを忘れていた本。日本国際ボランティアセンターの「子どもたちのイラク」(岩波ブックレット、2003年)。カラー版で、子どもたちの写真や絵がたくさん紹介されている。2002年と2003年のイラク戦争後の話。文章を読んでい…

ルポ 正社員になりたい

学生さんと話をしていると「ワーキングプア「格差社会」のことが話題になることが最近増えている。先日、学生対象のスタディー・ツアーで釜ヶ埼に行ったところ、参加者が感想文のなかででいろいろ書いてくれた。ほとんどの学生は自らの差別性に向き合おうと…

イスラエル兵役拒否者からの手紙

昨日の夜は本当に何にもしたくなかったので、ベットでごろごろしながら、読書。読み終わった本はペレツ・キドロン「イスラエル兵役拒否者からの手紙」(NHK出版、2002年)。この本はとっくに読んでいていいはずなのに、なぜか持っていなくて、つい最近買った…

ウルフィーからの手紙

いい本に出会った。読み終わったときにそんな気持ちにしてくれたのはパティ・シャーロック「ウルフィーからの手紙」(評論社、2006年)。ベトナム戦争時代の米国でぼく、ことマークは愛犬のウルフィーを軍に差し出した。ベトナムで米兵を守るのに軍用犬が必…

次々と届く本・・・。

ちょっと前から読みたかった本が続々と届いた。最近は読書量が落ちているので、こんなに買って大丈夫なのか???と思うけれど、おもしろそうな本を見つけると買わずにはいられない。 今日は、ムハンマド・アンワル「イギリスの中のパキスタン:隔離化された…

破断層

先日、名古屋で行われた広河隆一さんの写真展に行ってきた。写真展のために名古屋に行ったのではなく、運営委員をしている女性関係のNGOの総会に参加するためだった。総会で広河さんの写真展のちらしが目に入り、大阪へ帰る前に寄ってみることにしたのだった…

パレスチナに行ってきました気

うーん。久しぶりにヒット作。宮崎祐さんの「パレスチナに行ってきました気」(せいうん、2006年)。これはおもしろい。気軽に読めるけれど、とても考えさせられる本。何気ないコメントに重みがある。学生にさっそく勧めよう。 被占領地を歩いていると、隅々…

われらはみな、アイヒマンの息子

ギュンター・アンダースの「われらはみな、アイヒマンの息子」(晶文社、2007年)が届いた。来週の平和研究入門のゼミで取り上げる本。といってもその日は学会発表で東京に行っているので、私が授業をするわけではない。でも、来週の授業以降もこの本に関す…

イスラエル擁護論批判

やっと論文の執筆が終わった。論文といける質があるかどうか分からないけれど、それなりに問題点は追求したので、とりあえずのまとめになったように思う。イラク在住のパレスチナ難民の問題は、次の論文で取り上げたい。今回はスペースの余裕がなくなったの…

UNHCR&IOM

イラク難民に関する論文を書いているので、ここのところ毎日、UNHCRやIOMの報告書とにらめっこ。数字が多いなあ。仕方ない・・・。大量発生している難民のことを「対テロ戦争」がもたらした一つの問題点としてきちんとまとめておく必要がある。木曜日には提…

パレスチナ「自爆テロの正義」

以前、本屋で手にとってやめた本を数日前にamazonに注文。今日、職場に届いた。Q.サカマキさんの『パレスチナ「自爆テロの正義』」(小学館文庫、2002年)。一度は、タイトルが気になって買わないと決めたのだが、友人から、「この本、そんなに悪くないよ。…

移民社会フランスの危機

あと少しでタハール・ベン・ジェルーン著「娘に語る人種差別」(青土社、2007年)を読み終わるので、宮島喬著「移民社会フランスの危機」(岩波書店、2006年)を読むことにする。昨年買ったのに、まだ読んでなかった。研究室の本棚を見て、「あれあれ、読んで…

パレスチナ

ジョー・サッコのコミック「パレスチナ」の邦訳(いそっぷ社、2007年)を読んだ。英語版はかなり昔に読んだ。イギリスに住んでいた頃。このコミックは、おそろしいほど正確に被占領地に住むパレスチナ人の生活を描いている。そうそう、そうねと思うシーンが…

イラク:占領と核汚染

梅田の本屋で写真家の森住卓さんの「イラク:占領と核汚染」(高文研、2005年)を見かけて、そのまま購入。家に帰って早速読んでみた。森住さんの写真のすばらしさは定評がある。イギリスに住んでいた頃も反戦デモの後の集会で彼の写真のコピーを広げて、写…

イラク占領

パトリック・コバーンの「イラク占領:戦争と抵抗」(緑風出版、2007年)を買った。BK1で調べて、ほしいなと思っていた本だ。生協の本屋を歩いているときに目にして、そのまま即購入。イラク難民の資料を探している。最近、ジュネーブでUNHCRの会議があった…

ハードワーク:低賃金で働くということ

ポリー・トインビーの「ハードワーク:低賃金で働くこと」を読み終わった。これは思った以上に分かりやすく、イギリスの格差社会・階級問題・労働問題がよく見える本だった。お勧め。アメリカン・ドリームなどありえない。「チャンスは誰にでもある」という…

平和の種をはこぶ風になれ:ノーマ・フィールドさんとシカゴで話す。

生協で注文していた本を取りにいったついでに、ノーマ・フィールドさんと内海愛子さんの新刊書「平和の種をはこぶ風になれ:ノーマ・フィールドさんとシカゴで話す」(梨の木舎、2007年)を購入。ノーマ・フィールドさんと内海さんの対談。今読んでいる本「…

カブールの燕たち

昨日大学の生協を歩いているときに、ついつい大量に本を買ってしまった。どれも研究上、必要なもの。まずは、就寝前に読みたい本の二冊をここであげておこう。1)ヤスミナ・カドラ「カブールの燕たち」(早川書房、2007年) 2) ポリー・トインビー「ハードワ…

イラクからの手紙

先日参加したイラク人のエイド・ワーカー、カーシムさんの講演会で、彼の本を買った。カーシム・トゥルキ「イラクからの手紙:失われた僕の町ラマディ」(高遠菜穂子、細井明美訳、2007年)。この本を読んでいると、米軍がラマディで何をやっているのかとい…

4月以降のゼミで紹介する本の一部

4月から開講される基礎セミナー「平和研究入門」で紹介する本を考えている。 とりあえず今、家にある本のうち、よさそうなものをここに書いておこう。1. 島本慈子「戦争で死ぬ、ということ」(岩波新書、2006年) 2. 奥村和一、酒井誠「私は『蟻の兵隊』だっ…

イギリスで買った本と読み終わった本

イギリスでは島本慈子さんの「戦争で死ぬ、ということ」(岩波新書、2006年)を読み終わった。行きの飛行機のなかでは、「イスラーム世界の女性たち」を読んでいたのだが、途中からなんとなく読む気がなくなってしまった。最初はおもしろかったんだけどな。と…

イギリス出張中に読むべき本

明日からイギリス出張。この間に読もうと思っている本を挙げておこうっと。 1) 白須英子「イスラーム世界の女性たち」(文春新書、2003年) 2) 島本慈子「戦争で死ぬ、ということ」(岩波新書、2006年) 3) DAWN「フィリピン女性エンターティナーの夢と現実…

フィリピン女性エンターテイナーの夢と現実

ヨルダン滞在中に読んだ本は結局、「パレスチナ・ナウ」だけ。「チェチェンで何が起きているのか」は、帰りの飛行機のなかでちょっと読んだあと、うつらうつらしたり、映画などを観ているうちにそのままに。結局、帰ってきてからぐいぐい読んで、昨日、読み…

ヨルダンで読む本

明日の夜、ヨルダンに向けて出発。カタール航空なので、ドーハ経由。ドーハまでのフライトとドーハからアンマンまでのフライトのなかで、何を読もうかと考えていたが、結局、次のものになりそう。(1)林克明、大富亮「チェチェンで何が起こっているのか」(高…