イギリスで買った本と読み終わった本

 イギリスでは島本慈子さんの「戦争で死ぬ、ということ」(岩波新書、2006年)を読み終わった。行きの飛行機のなかでは、「イスラーム世界の女性たち」を読んでいたのだが、途中からなんとなく読む気がなくなってしまった。最初はおもしろかったんだけどな。といってもあとほんのちょっとで読み終わるのだけど。またしばらくしたら、読んでみるか。島本さんの本は、4月から担当する「平和学入門」の授業で参考文献として紹介しよう。ゼミでは岩波新書ぐらいの本を読んでもらって、それを学生さんに発表してもらう予定。リストを作らなくっちゃ。

 イギリスでは二冊本を買った。ブラッドフォードに寄ったときにWaterstonesで買った"Made in Bradford"。ブラッドフォード在住のパキスタン系住民のアイデンティティに対する思いなどを綴ったもの。これはおもしろそうだ。買う価値あるとみて、買ってみた。

 もう一冊はロンドンのユーストンの駅の近くにあるクウェーカーの本屋さんに立ち寄ったときに買ったNorman Kemberさんの"Hostage in Iraq"。Normanさんがクリスチャン・ピースメーカー・チームズのdelegationのメンバーの一人としてイラクに行ったときに、あるグループに誘拐されたときのことを描いたもの。最初はどんなもんだろうと思いながら買った本であるが、私は案外夢中になっている。サウハンプトンに向かう電車のなかで読み始め、気がついたら、帰りの飛行機のなかでも読んでいた。そして今も読んでいる。帰りの飛行機はうとうとしたり、映画を観ている時間も多かったので、それほど読めなかったけれど。

 クリスチャン・ピースメーカー・チームズは私が尊敬している平和団体のひとつ。Normanさんたちといっしょに誘拐され、殺害されたTom Foxさんがなくなる数ヵ月前までどのように人質生活を送っていたのかということもこの本から伺うことができる。彼のことを読むのはつらいけれど、うんうん頷きながら読んでいる場合が多い。

 本を読むということ。これは新しい知識を身につけるということであり、それは私にとって限りなく嬉しいものである。