獄窓記

忙しかった7月を終え、現実逃避したくなっているせいか、つい本を読んでしまう。研究に直接関係するものよりも、とにかく、刑事関係のもの。小さいころからの生活環境のせいか、刑事事件関係、受刑者の権利、冤罪、死刑制度(今はこれが一番の関心)、社会排除、社会防衛論、刑罰の意味等に関心がある。それなりに稀有な家(人はそれをインテリ家庭ともいうようだけど、どうなんかなあ。社会性を考えさせられる環境があったということか)に育った影響は大きい。この点はまた一度自分のことを振り返る上で、じっくり考えてみたいと思う。

あ、でも、朝、依頼されていた連載エッセイの第一回目を終えた。指定された分量は多くない、というか、とても少ないけど、書いて見ると短く書くのは大変で結果的にずいぶん多くなった。知り合いのイラク人女性(イラクの母とでもいうべきか)について。

昨日は、山本譲司『獄窓記』(新潮文庫、2008年)を読み終わった。この本も話題になっていたのに、読んでいなかった。もともとは他の出版社から出ていたはず。実に獄中生活がよく描かれてる。といってもそれは一端でしかないのだろうけど。社会的に排除されてきた人々と犯罪の関係を考える上で参考になる。皆、幸福になる権利はある、とはいうものの、その権利にアクセスしにくい状況、権利を知ってそれを行使するための環境がない場合が多い。人は「平等」であって、実質的には「平等」な社会ではない。だから、法による正義を人権と格差と反差別の視点からとらえなおしていかないといけないのだ、と思う。

ああ、もう少し中東関係の本を読まねばならないはずだけど、ここのところ、なぜか進まない。先週、先々週は読んでたんだけどね。でも、今日は古本屋さんから新しい本が届いたので、今読んでいる本が終わったら、そっちにいこう。

今読んでいる本
堀川恵子『死刑の基準−「永山裁判」が遺したもの』(日本評論社、2009年) この本は、上記の本を読み終わってから、そのまま読み始めたもの。最初の方を読んだけど、かなり夢中に。今日は生協の食堂で食べながら、また読んでしまった。

今日、届いた本
ハコボ・ティママン(川村哲夫訳)『レバノン侵攻の長い夏−イスラエルからの反省』(朝日新聞社、1985年)

あと、生協で買った本
初川満『国際テロリズム入門』(信山社、2010年)
2009年に出た専門書の方を先に買ったけど、まだパラパラとしか読んでないので、(持ってるけど)を読まないとなあ。2009年に出た本というのは以下のもの。
初川満『テロリズムの法的規制』(信山社、2009年)

ああ、今日はまた生協で他の本を2冊注文しちゃったし(その前に注文したものが2冊あるや)、古本屋さんに注文しているものがあるから、どんどん来てしまう。追いつかない・・・。

さて、前期最後の採点が終わったので、これからまた読書して、寝ようっと。