死刑制度関係の本

またもや久しぶりのブログ。いろいろ読書はしてるんだけど、なかなかブログで紹介する時間がなくて・・・。

最近は中東関係以外の本では、やはり死刑制度関係の本を読むことが多い。この一ヵ月くらいでいうと、以下の本を読んだ。

益永スミコ『殺したらいかん 益永スミコの86年』(影書房、2010年)
⇒こりゃ、いい本だわ。一気に読んでしまいました。益永さんの名前は聞いたことがあった。どんな人生を送ってきたのかなあって思っていたのでした。この本を読む限り、自分にまっすぐな気持ちで生きてきた方なのがよくわかりました。自分の良心に従い、妥協を許さず。すばらしいです。影書房の本は、ヒットが多いわね。やっぱり。

坂本敏夫『死刑と無期懲役』(ちくま新書、2010年)
人は変われる。そうかもしれない。刑務所や拘置所で現実を見てこられた方の本は非常に説得力がある。人は変われる。そう思いたい。でも、本当にそうなんだろうか、と思うこともある。でも、そう思わないと、死刑制度の問題に取り組んで行けないかもしれない。

新潮45」編集部編『凶悪−ある死刑囚の告発』(新潮文庫、2009年)
昨晩、一気に読んだけど、感想は何とも書けないな。死刑制度そのものを問う本ではない。あくどい事をして、何よりも貴重な人の生命をもてあそんで生きている人々がいることに社会の気持ち悪さを感じる。なぜ、人は人に対してかくも残酷になれるのか。そしてその残酷性を平気でかくして生きることができるのか。

とりあえず、死刑関係の本だとこれくらいかな。あ、漫画でいうと、「弁護士のくず」の10巻にも裁判員制度と死刑関係の話があった。昨日、電車のなかで読んだんだった。

今日、大学の生協経由で買った本は、長田鬼門『死刑のすすめ−積極的死刑拡大論』(東洋出版、2010年)。とりあえずこれを読むか。

研究に関係する本ではジャン・ジュネ『シャティーラの4時間』(インスクリプト、2010年)を途中まで読んでる。金曜日に新幹線のなかで途中まで読んだ。あとは、これも途中になってるけど、グロリア・エマソン『占領地ガザ』(朝日新聞社、1991年)がある。これも近いうちに読み終わらないと。ラジ・スラーニのことも書いてあるから、必死に読んでるんだけど、なぜかなかなか進まない。翻訳書は読みにくいからかなあ。酒井啓子『<中東>の考え方』(講談社現代新書、2010年)は一気に読んだ。中東関係の入門書。学生さんにはちょうどいいね。一部パレスチナの記述が気にならないわけではないけど。

そのほかいろいろ読んでる。
吉田修一『パレード』(幻冬舎文庫、2004年)
⇒読み物としてはおもしろい、です。吉田修一らしいな。

道あゆみ(監修)『ドメスティック・バイオレンス−絶望のフチからの出発』(じっぴコンパクト、2009年)
⇒一気に読んだ。電車のなかで。この本、ずっと読みたいと思ってたから。所属学会の大会のときに買ってよかったわ。かなり集中して読んだ。学生にもすすめたい。

植田智加子『南アフリカらしい時間』(海鳴社、2010年)
⇒この本、相当ヒットです。読む価値ある。絶対にある。マンデラ氏のことを知ることができるからなのではなくて、著者の植田さんという方の感性に大変ひかれてしまったから。この本は運営委員をしている団体の総会のときに注文したもの。今年読んだ本では今のところ、一番いい本に入るな。

山根寛・木村浩子『土の宿から「まなびやー」の風がふく』(青海社、2009年)。
⇒これもヒットやん。純粋にすいすい読んだよ。活動が想像できるような気分になった。まなびやー、行ってみたい。

梁英姫北朝鮮で兄は死んだ』(七つ森書館、2009年)
⇒これもかなりひきこまれて読んだ。「帰国事業」の裏腹には、日本社会の差別構造と植民地支配の負の遺産(今も生き続けている)がある。読み手の立場としてはそれを考えずにはいられなかった。