4月以降のゼミで紹介する本の一部

4月から開講される基礎セミナー「平和研究入門」で紹介する本を考えている。
とりあえず今、家にある本のうち、よさそうなものをここに書いておこう。

1. 島本慈子「戦争で死ぬ、ということ」(岩波新書、2006年)
2. 奥村和一、酒井誠「私は『蟻の兵隊』だった:中国に残された日本兵」(岩波ジュニア新書、2006年)
3. 吉田敏浩「反空爆の思想」(NHKブックス、2006年)
4. 吉田敏浩「ルポ 戦争協力拒否」(岩波新書、2005年)
5. 阿部浩己・鵜飼哲・森巣 博「戦争の克服」(集英社新書、2006年)
6. ラフール・マハジャンほか(益岡賢、いけだよしこ 編訳)「ファルージャ 2004年4月」(現代企画室、2004年)
7. モフセン・マフマルバフアフガニスタンの仏像は破壊されたのではない 恥辱のあまり崩れ落ちたのだ」(現代企画室、2001年)
8. 野村浩也「無意識の植民地主義:日本人の米軍基地と沖縄人」(御茶の水書房、2005年)
9. 中西新太郎「<生きにくさ>の根はどこにあるのか:格差社会と若者のいま」(NPO前夜発行/JRC発売、2007年)
10. 広河隆一「岩波フォト・ドキュメンタリー 世界の戦場から 反テロ戦争の犠牲者たち」(岩波書店、2003年)
11. デイビット・ポトーティとピースフル・トゥモロウズ「われらの悲しみを平和への一歩に:9.11犠牲者家族の記録(岩波書店、2004年)
12. 土井敏邦岩波ブックレット No.631 米軍はイラクで何をしたのか:ファルージャと刑務所での証言から」(岩波書店、2004年)


これ以外には、ディアスポラ紀行、ポストコロニアリズム、「対テロ戦争」と現代イスラーム世界、「対テロ戦争」と現代世界などを考えている。サイードの本もシラバスには挙げておいた。基本的には、4月から7月までに、「殺される側の論理や立場」について考えてもらおうと思っている。それ以外には、加害者として動員されることの意味についても。

15回分で、一回目がオリエンテーションとすれば、実際に学生さんに発表をしてもらうのは14回分。私は本をたくさん読んでもらいたいと切実に願っている教員だから、ちょっと押しつけがましいけど、そのことをオリエンテーションで伝えようかな。

1. オリエンテーション
2-5 殺される側の論理(4回分)
6-7 故郷を失うこと、難民となること(2回分)
8-9 戦争を支える論理(3回分)→ ここで格差社会のなかに生じている戦争動員について論じる
10-13 加害者となること(2回分)
13-15 加害者となることを否定すること(2回分)

うーん、ちょっと参考文献が難しいかな。でも、やっぱり、難しいことは難しく読んでもらおう。
純化してはいけないね。