バスラの図書館員−イラクで本当にあった話−

 最近の私はイラク関係の本にはまっている。時間がないので、なかなか進まないけれどね。

 ジャネット・ウィンター「バスラの図書館員−イラクで本当にあった話−」(晶文社、2006年)と佐藤真紀「戦火の爪あとに生きる−劣化ウラン弾イラクの子どもたち−」(童話館出版、2006年)を読んだ。二冊とも子ども向けの本。

 「バスラの図書館員」は戦争で本が燃えないように知恵を絞った図書館員の話。これはすごい。知に対する執着を感じさせる図書館員だよね。大人にも読んでほしいもの。3万冊の本を自分の家や友人の家で保存した女性。並大抵の作業ではない。それをやってのけたのだから、偉大だ。

 「戦火の爪あとに生きる」は先日読んだ岩波ブックレットの「子どもたちのイラク」と似ているけれど(同じ著者だもの)、内容が相当充実している。すぐれた児童書。大人だって読むべきもの。劣化ウラン弾イラクの人々に与えている影響を考えると、頭が痛くなってくる。日本だと治る可能性が結構高い白血病。でも、イラクだとそうならない。子どもたちが死んでいく。

 イラク関係の本の翻訳をすることになったのと自分が関わっているグループがイラクの子どもたちのためのプロジェクト支援をするかもしれないということもあって、とにかく本を読んでしまおうと思い、本をかき集めているところ。今日は古本屋さんから何冊か届いているだろう。さて、大学に行って、届いた本を確認してこよう。