アフガニスタンから世界を見る

 イギリスに行っていたので、日記の更新は久しぶり。時間があったはずなので、もっと本を読めるかとも思ったけれど、結局読み終わったのは、春日孝之『アフガニスタンから世界を見る』(晶文社、2006年)だけだった。南回りの旅行は、映画、新聞、睡眠で終わってしまったからだなあ。

 『アフガニスタンから世界を見る』、これは久しぶりのヒット作だ。丁寧な取材と分析が一冊の本としてまとめられている。いいやん。ほんまに。ずっと読んでみようと思っててなかなか買うチャンスはなかった本。純粋に読んでよかったよ。アフガニスタンを見る目。一定のイメージで作られたタリバーンという存在を介してのみアフガニスタンを見てきた私たち。そこには、民衆の生活を見る視点が完全に抜けている。タリバーンとて一枚岩ではない。そのことをもう一度考えさせてくれる本。これが『アフガニスタンから世界を見る』だった。

 日本に戻ってから、瀬尾まいこ幸福な食卓』(講談社、2004年)を買って、いっきに読んでしまった。なぜ、この本を買ったのか。それは最初のセンテンスが好きだったから。「父さんは今日で父さんを辞めようと思う」。この本で名セリフといえばこれだけだ。ストーリーはあまりにべたで、最後は拍子抜けした感じでちょっと後味が悪かった。多くの人が買った本だから、きっと読者はほろりと来たんだと思うけれど、私はこういうのは苦手。