久しぶり、の日記

 ずっと読書日記を書いていなかった。忙しすぎて、どうにもこうにも・・・。本を読んでいなかったわけではなくて、実は結構忙しいのに、読んでた。って矛盾してるかな。

 私の場合、読書は現実の忙しさからの逃避。読んでいる本がいいとは限らない。ひどい本もあるし、読む価値がなかったものもある。

 ここであげるとすれば・・・。ノルウェーのジャーナリストのイラク戦争関係の本かな。
アスネ・セイエルスタッド『バグダット101日』(イースト・プレス、2007年)。翻訳する価値あるんかな、というレベルの低い本。戦場ジャーナリストの彼女は、イラクのこと、アラブのこと、何も分かっていないまま、戦場ジャーナリストでありたいために、イラクに行ったとしか思えないわ。爆弾を落とされる人々に対する眼差しはほとんどない。ただ、多少興味深いのは、サダーム・フセイン政権時代のイラクに入ろうとする「西側」ジャーナリストがどれだけ苦労してビザを入手していたのか、あるいは入手できてもその後、滞在許可が延長されることの困難さ、などが語られていた点かな。

 戦争に関する記述ははっきり言って、洞察力がないとしかいいようがない。彼女は、『カブールの本屋』という本で世界的に非常に売れたジャーナリストだけど、そもそも非常にオリエンタリストの視点そのものでしかものを分析できないようなので、そんな本が売れるということ自体、この世界のおかしさを物語っているとしかいいようがない。

 カブールの本屋に関してはまだ全部読んでいないので、批評はまた今度。