イラク零年:朝日新聞特派員の報告

 「ぼくたちの砦」。この本はいい本だ。中高生に被占領地でパレスチナ人であるということがどういうことを指すのかということを想像させる本になるはず。難民キャンプの様子がほとんどないので、もう少しその辺が書かれているとよかったかもなあ。これは欲ばりか。現地のことを理解して書いているのがとても分かるので、ますます応援したい本になった。訳も分かりやすかったし。
 「ぼくたちの砦」を読み終わって、川上泰徳さんの「イラク零年:朝日新聞特派員の報告」を読み始めた。実はこの本、数週間前に買って、ベッドの前にある本棚にそのまま立てかけておいたままになっていたんです。読もう、読もうと思ってたんだけどねえ。「イラク零年」というタイトルがちょっとだけ気になっていて(ネガティブな意味にだけどさ)、どうしようかなって思ったけど、買ったんだった。なぜこのタイトルなんだろう。それを理解するためにはこの本を読むしかないか。
 ちょっとだけ読んだけど、実はおもしろいかも。最初のところはいいよ。「ガジャル」の人たちのことから始まる。目の付けどころはさすがだわ。「ガジャル」とは、アラビア語でいわゆる「ジプシー」という意味。「ジプシー」が蔑んだ意味を有しているように、「ガジャル」もそうみたい。つれあいに聞いてみよう。