ベツレヘムの密告者

マット・ベイノン・リースの『ベツレヘムの密告者』(ランダムハウス講談社、2009年)を読んだ。この著者の初めての邦訳本。パレスチナベツレヘムを舞台にしたミステリー。占領・被占領の物語というより、イスラエルの占領に抗するパレスチナ人の抵抗勢力内の殺人事件とイスラエルのコラボレーターを描いた小説。コラボレーターの問題というのはとても難儀なものだ。占領ゆえに生まれたもの。

どんなものかなあ、と思いながら読んだところ、物語としてはそこそこおもしろく読めるものだった。アラビア語の表記が気になって仕方なかったけど(それは翻訳者の問題)。ベツレヘム在住のパレスチナ難民の歴史教員のオマー・ユセフ(オマル・ユーセフとすべきかなあ・・・)を主人公とするミステリー小説は、今後もシリーズとして書かれるみたい。すでにこの本を入れて4冊発刊されてる(原文は英語。邦訳は『ベツレヘムの密告者』だけ)。

時間があるときに読むにはちょうどいい。あ、でもついついパレスチナを舞台にした小説だから、時間がなくても読んでしまう・・・。