スペイン市民戦争とアジア:遥かなる自由と理想のために

 大学生協の本屋でぶらぶらしているときに、実におもしろい本を見つけた。石川捷治・中村尚樹「スペイン市民戦争とアジア:遥かなる自由と理想のために」(九州大学出版会、2006年)である。目にした瞬間、内容を確認せずにそのまま手にとって、レジへ。名前からして、ヒットな予感がした。

 「スペイン市民戦争」といえば、私の永遠の英雄であるジャック・白井のことを思い出す。この本によると、日本人が20名ほど国際旅団に参加したという。いずれも米国在住者だったようだ。これは新しい情報だった。ジャック・白井以外に私の英雄たちがこんなにもいたとは。実に嬉しい。勇気が出てくる。

 来年のスペイン会議に際に、ジャック・白井が倒れたところを追悼訪問しよう。一度だけスペインに行ったことがあるが、そのときは時間がなかったこともあって、訪問できなかった。来年こそは。

 この本はとても読みやすかったので、すぐに読み終わった。読み応えがある名著。中国の抗日闘争にスペイン市民戦争がどのような影響を与えていたのかなんて考えもしなかったもの。この本のおもしろさというか、重要な点はアジアとスペイン市民戦争における民衆のつながりを探ったことにある。

 イタリアのパルチザン、スペイン市民戦争のときに民衆の闘い。反省点も多くある。しかし、少なくとも私はこれらの闘いのなかから、多くのことを学んできたし、信じる「理想」とともに具体的な活動につなげる努力をしてきた、と思っている。世界中の民衆の闘いをもっと知りたい。学ぶべきところが随所にあるはずだ。